遠い記憶の彼方の話。
三歳の頃、母方のおじいちゃんが亡くなりました。寡黙で静かなおじいちゃん。
その時代にはお葬式は各々の家でするのが普通でした。
母の実家は能登の山と山の間の在所。
小さくてホッとする場所で。私は母親に連れられてよく遊んでいました。
お通夜と明日はお葬式ということなので私と母親と兄達はおじいちゃんの家に泊まることに。
私の記憶も曖昧ですが、田舎のお通夜は親戚一同が集まり宴会まではいかずとも、おじさん達がお酒を酌み交わしています。
私の父も無類のお酒好きで一緒になって飲んでいました。
私は何度も白い布を被ったおじいちゃんの傍にいって珍しそうに見ていました。
そんなことをしているうちに夜は更けて寝る時間。
明日もお葬式なので宴会は早々と終了し親戚は一度家に帰ります。
昔は、飲酒運転が普通にしてたみたいで当たり前に帰っていたと思います。
母と私達は娘家族なので家に泊まることに
父は、明日も仕事があるとかとかで、車で30分以上かかる当時の私の実家に帰りました。
その際に亡くなったおじいちゃんが使っていたお布団を貰い車に積んで。
朝を迎えると父がいます。
私は子供ながらにお父さんは帰ったのではと不思議になりました。
父は仕事があるので早々と実家に帰っていきました。
私は母に
「ねぇねぇ、なんでおとうさん じいちゃんの家に泊まったの? 帰ったんじゃないの?」
そう聞くと、母親はくだらないけど面白そうな表情をして私に話をします。
「いや、お父さん帰ったんだけど、途中で引き返してきたんよ」
「なんで」
母は怪訝そうな顔をしながらも私に話します。
「なんでって、夜に青い顔して帰ってきてお父さん私にいうんだよ『車で走っていたら 道路の真ん中でお前の親父が両手広げて仁王立ちしてたんだ白い着物で、俺さ怖くて急いで引き返してきた。あのまま走ってたら事故起こしてたかもしれん』って お酒に酔い過ぎだよねえ…お父さん 。お布団も載せてたから 幻覚でも見たんでしょ」
母はくだらないって顔をして意味わからないでしょって様子でしたが。
私は心の中で『そうだろうな、おじいちゃん怒ってたかも』
事故にあうかどうかはわからないけど、三歳だった私は、おじいちゃんが怒っているのは感覚でわかりました。
母に話を聞いていた時に、車で走って前を見てたら何かが見える段々と近づいていくと
おじいちゃんが白い着物で車の前に立って仁王立ちしている映像が脳裏に浮かびました。
真面目なおじいちゃんですから、当たり前かと思います。
その後に母と私は同じおじいちゃんの夢を見ることになります。
その時の話は↓
大した話でもないですけど、私にとっては思い出のひとつです。
また、一年後の法要で不思議なことが起こり目撃します。 その話はまた後でしますね。
私は父に似たのかお酒を嗜むことが出来ます。 三人の子供の中で私だけお酒が飲めました。
兄達も母親も全く飲めません。 でも飲めるのですが、付き合いか仕事でしか飲まず、酒の飲む楽しさを知らずにきましたが。
ここ一年の間に神仏との繋がりが出来たら日本酒が美味しくなり、神様にお供えしてから飲む日々です。量も一合しか飲まず、気持ちよく酔って愛と感謝の気持ちでいっぱいになります。
二日酔いも無く。
不思議なこともあるんですね。食べ物の好みや飲み物が変わるのですから。
神様も一緒に晩酌してお酒を酌み交わしたかったのかなと。
今、思えば お父さんに対しておじいちゃんは軽く警告をしていたのかと思います。
が、それが父に届いたかはわからないですけど(笑) あんまり届いてないだろうな(笑)
お父さんらしい人生だったと思います。 愛らしいお父さんに感謝の気持ちしかないです。
余談ですけど、私が飲む日本酒は 神泉と菊姫で (宗玄も好き)甘口が好きです。お子ちゃまなのでピリッとする辛口は渋いおじいちゃんに似合っているなと思います。