決断とおじいちゃんのお話

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人生長くなくとも、色々と重大な局面に立つことがあります。

人の生死にかかることなら尚更。

大病を患った時に本人の決断力が無い場合、一緒にいる家族に決断を求められるのです。

大抵は息子や兄弟親戚がいるので、家族会議になると思うのですが、私の家は違います。

兄は6年前に他界、次男は関わりたくないと連絡は何とか取れる状態です。

全ての決めることは私に任すと言うだけ。

父親は去年他界。

10年前に母親の脳卒中の時に父から離婚したいと強く要望を言われて、慰謝料を貰って母と父が離婚しました。

父親の兄妹親戚は全て県外で亡くなっています。

母親の親戚は疎遠になっております。病気のことは叔父さんのお嫁さんに伝えることにします。

実質何も話し合うことはありません。

私、ひとりで決断をしないといけません。

去年は父の治療やターミナルケアで決断し、最期は見送ることができました。

今は母の治療とターミナルケアを決めて施設に伝えることになります。

もう、決めて伝えて後なので病院の先生と施設の方と一緒にこれからを話し合うことになります。

「人は簡単に死ねないようになっているよ」

誰の言葉か忘れましたが、子供の頃に聞いて印象深かったのを覚えています。

その言葉の意味を両親で勉強させてもらっている感覚があります。

死に向かっていく苦しみが最後の学びになる。

私の決断は、本人が元気な頃に言われたどうする?を基本にして考えます。

母は延命措置を嫌う傾向があり生きてるか死んでるかわからない生き方は嫌だと言っていました。

去年は手術という決断だったので、生きるための措置は受けるだろうという判断。万が一駄目でも出来るだけ痛いものを取り除くことができるという判断。

今回は抗がん剤をするかしないかの判断。 リスキーな決断は出来ず、免疫力を壊す可能性がある抗がん剤はしない。

自然に任して様子を見るにしました。 痛みを伴うときは痛み止めを使う方向にします。

どちらを選んでも楽ではないのはわかっています。本人が選べる状態なら選んでもらいますが

私しかいません。

私の決断に第三者が文句言うのは構いません。 

そんなことを恐れていたら、大事なことは決めれなくなります。

決めたことに責任を持つということはそういうことと私は考えています。

ただ、あまりにも身寄りがない私は、気持ちを吐露する場所がないため。

文章として書かせてください。

18歳から45歳になるまで、実家の問題ばかりに関わってきました。

20代中頃に一度は縁を切ろうと疎遠になったこともあります。

結局、切ることは出来なかった自分ですが

今ではそれが良かったと思います。

わかだまりなく歩いていける、そんな気持ちです。

3歳の時に母とお昼寝をしている時に夢をみました。

母方のおじいちゃんが紋付き袴の立派なカッコで遺影と同じ顔でこっちにおいでと手を広げていました。

おじいちゃんの後方はとても眩しく目を開けることさえ難しいぐらいキラキラしていました。

喜んだ私は わぁっと走ろうとしたら

母に身体を揺さぶられて起きました。

私はおじいちゃんの夢を見たのが嬉しくてそのまま伝えると

何故か怒られてしまいました。

その記憶だけ強く残ったまま、学生の時に何気なく母に聞くと。

「私も同じ夢を見たから、おじいちゃんが、私と娘がこれから凄く苦労するから今のうちにこっちに来いって言うの、申し訳ないけど娘も小さいし私は死ねないって断ったの。起きたらあんたが何も起きないから怖くなって起こしたら、同じ夢を見たって言うからゾッとして怒ってしまった」

次の言葉は出ませんでした。

あの夢は確かに、いつも見る夢と違っていました。

あんな夢は後にも先も見ることは無かった。

死んだ、おじいちゃんは寡黙でひとりで熱燗を呑んでいるイメージしか覚えていません。

でも、私を大事に思っていたのは間違い無いと思います。

母親は私が生れて赤ん坊の時に実家に連れて見せにいったそうです。

本当は娘のお雛様が欲しいと言いたかったらしいです。

でも、親の反対を押し切って父と結婚した母親はそんな甘えたことは言えずに帰りました。

その後、金沢のデパートから大きなお雛様が届きました。

おじいちゃんがおばあちゃんに、買って送ってやれと言ったそうです。

母親の言いたくても言えない気持ちを汲んで静かに行動するおじいちゃんはカッコいいなって思いました。

この写真を見るといつも思い出します。

このお雛様は実家が取り壊す時に持ってこれなくて、親王と親王妃だけ残しました。

私が死ぬ前か死んだあとに人形供養をお願いしたいと思います。

母方のおじいちゃんの不思議な話はまだありますが、思い出を語るのはここまでにしときます。

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